ownCloudとPydioは、ファイルの同期・共有が可能なWebアプリケーションのPHP製パッケージです。
ownCloudはDropboxライクな感じで、Pydioはビジネス用途向けなことをよく言われるようです。
具体的には以下のようにして両方を使ってました。
- ownClowdをさくらインターネットのVPSに導入して、サイズの小さいファイルの同期管理
- Pydioを自宅サーバに入れて、それなりの大きさがあるファイル(100M~1G)をやり取り
で、結論から言うと、基本的な機能は同じなので単にファイルのやり取りに使うだけであればどちらも大差なかったです。
しかしそれ以外の管理面などでは結構違いがあるので、私の使った範囲で特徴を上げるとしたら、以下の点となります。
- ストレージ領域の考え方
ownCloudはユーザアカウント、Pydioはワークスペースが中心
ファイル保存のために割振る領域の扱い方が、それぞれの大きな違いになっています。
ownCloudはユーザそれぞれに1つの領域が割振られます。Dropboxを使ったことがあるなら、ほぼ同じだと思っていいです。
Pydioは「ワークスペース」という領域に対してユーザのアクセス権を割振ることで複数の領域を使用する事ができ、容量制限などの設定もワークスペース単位でできます。 - 共有についての考え方
ownCloudは領域の一部を使い、Pydioは新たな領域を作成
ownCloudはユーザ領域の特定ディレクトリを他ユーザに公開することで共有を可能にします。
Pydioは領域を新たに作成し、それを共有対象のユーザから見えるようにします。
ownCloudの共有の場合、容量は共有元のユーザの領域が使われるため、大量にデータを入れる目的に使用しにくい部分があります。
目的や用途によって領域を作れるPydioは、このあたりがビジネス用途向けらしい感じ。 - 設定
ownCloudは設定が少なく、Pydioは多い
ownCloudはGUIから設定できる項目が少なめで、構築はとても楽にできるようになっています。
逆に、Pydioには設定項目が多数あり、導入要件に対応したチューニングが可能となっていました。 - プラグインのリリース
ownCloudはコミュニティでのプラグイン公開が盛ん
どちらもプラグインによる機能拡張に対応しており、特にownCloudは有志の開発者によってリリースされているプラグインが多数公開されています。
ownCloud Applications – apps.ownCloud.comPydioは検索しても公式以外で公開しているものが見つかりませんでした。
- ユーザの使いやすさ・日本語への対応
操作性は大差ないけど、Dropboxと似てるからownCloudのほうが楽かも
初期の操作性で言えば、ownCloudがユーザとしても使いやすかったです。Dropboxを使ったことがあれば、ほぼ同じですし。
また、日本語の対応具合もownCloudはほとんど問題ないレベルです。
プラグインを追加している場合に一部英語が気になるぐらいかと思われます。
Pydioは日本語の対応が不完全で、インタフェースの操作も最初は慣れが入りますが、ユーザが使用できる機能が多くないので難しくはないと思われます。 - 管理・運用
ownCloudはユーザ任せ、Pydioは管理者の操作が多い
管理面から言うと、ownCloudはアカウントを作れば後はユーザが勝手にやるのに任せるため、大して手間はかからなそう。
逆に、Pydioはワークスペースの設定を管理者が行うため、[ユーザが管理者に申請->管理者が操作]のような形になりそう。
個人で少し使う分にはownCloudのほうが簡単そう。
複数人で多目的に使うのであれば、Pydioを入れる価値があるかも。
という感じでした。
コメント
[…] Pydio どちらも優秀で使ったこともあります。 タイトルの通り、結論から言うと「Pydio」を利用するのですが、選んだ理由が凄く分かりやすい記事がありましたので紹介します。 ownCloudとPydioをいっぺんに使ってみての比較http://note.spage.jp/archives/68ownCloudとPydioは、ファイルの同期・共有が可能なWebアプリケーションのPHP製パッケージです。ownCloudはDropboxライクな感じで、Pydioはビジネス用途向けなことをよく言われるようです。具体的には以下のようにして備忘ノート 2 pockets […]